コラムトップ > No.12 楽器を演奏することの脳への影響

 

今年も暑い暑い夏がやってきました。

暑さの中では気が抜けてなかなか集中力も続かなそうですが、こういう時は避暑地へでも逃亡して涼みたくなりますね。

 

さて、先日興味深い記事を読みましたので引用しておこうと思います。

「楽器を演奏することの脳への影響」

 

古くから脳科学者の間では音楽が脳に及ぼす影響について、盛んに研究が行われてきました。

 

数十年前に発明されたfMRIという装置の登場で、人間の脳の活動具合をリアルタイムで見ることができるようになり、脳の研究が一気に進むことになりました。

 

fMRIを使った研究により、本を読んでいるときや……book

 

計算しているときなど、活動によって活性化する脳領域が異なることが明らかになりました。

 

そして、fMRIで音楽を聴くときの脳を調べたところ……

 

音楽

 

驚くほど広い範囲にわたって火花が飛ぶかのように脳全体が非常に活性化することが分かりました。

脳

 

さらに脳科学者は音楽を聴いているときだけでなく、楽器を演奏しているときに脳がどのように活動しているのかを調べてみると……

 

楽器を演奏しているときは全身運動しているときと同じように脳が活動し……また、驚くほど多くの情報を同時に脳が処理していることも明らかになりました。

 

そして、脳全体が同時に活性化する中でも、Visual(視覚)・Auditory(聴覚)・Motor(筋肉運動)に関する脳領域が特に活発になることが分かりました。

 

注目に値すべき事として、音楽を演奏しているときと単に音楽を聴いているときで大きく異なることは、演奏する場合には脳の信号伝達も活発になっているということ。

脳は左脳・右脳に分かれていて、それぞれ役割が異なると考えられています。

 

 

例えば数学的な思考は左脳が行い、創作活動は右脳が行うという感じです。

これに関連して楽器の演奏は、脳梁と呼ばれる部位の活動に大きく関わりを持っています。

 

つまり、楽器を演奏することで右脳・左脳をつなぐ脳梁が鍛えられ、右脳・左脳両方の役割をスムーズにこなすことができるようになるとういうわけです。

また、楽器を演奏する人の脳は、さまざまな要素を関連付けする能力が培われます。

 

この関連付けする力が大きく作用するのが「記憶」です。

ミュージシャンの記憶ファイルを取り出してみると……

記憶する出来事にさまざまな関連情報がタグ付けされています。このおかげで楽器を演奏する人は、記憶をうまく整理して欲しい情報を欲しいときに素早く検索して見つけ出すことができるというわけです。

 

楽器の演奏によって得られる脳の活性化は他のどんな活動よりも大きいと考えられています。例えば、ランダムに選ばれた人の当初、同じようなレベルの活性化具合だった脳は……選ばれた人がどんな楽器を習ったとしても、等しく脳を最大限に活性化させることが分かっています。

 

 

メンタル面での効果を期待して近年、始められた音楽演奏を採り入れたトレーニングは、メンタル面以外の音楽が持つ機能の理解にも役立っています。

 

 

 一生涯の趣味に、いくつになっても脳を衰えさせることなく楽しんでいける楽器演奏は、一石二鳥の効果が得られるのですね。

いつまでも若々しく生き生きとした生活を送れるよう、音楽を友にしていけたらいいですね!